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エネルギッシュな大手企業役員31名が語る“未来の働き方 x DX (デジタル・トランスフォーメーション)”

東京(2022年11月11日)-「次世代を担う一人として、このようなフォーラムを切望していました」と語る羽鳥世将(はとりとしまさ)氏は、外資系金融会社に就職したばかりのZ世代。「このイベントを通して多くの発言に元気づけられ、また勇気をもらいました」と、ロバートハーフ社の新オフィスにて3年ぶりに開催されたリーダーシップ・フォーラム(同月10日開催)で語った。


auじぶん銀行調査によると、Z世代の60.1%が「お金の不安」を抱えており、長引く日本の経済低迷をはじめ、賃金低迷や負債増加、さらにはGDP成長率伸び悩みなどの影響が将来への不安をあおっていると考えられる。



リーダーシップ・フォーラムでは、金融、製造、医療、消費財といった国内外の大手企業役員31名が参加し、「リスクを取らない現状維持の日本を乗り越える、変化の時代を生き抜く経営のあり方」を議論した。 


「(現状の日本が抱える)課題は、根強い上下関係や空気を読む意思決定の文化においてどのように、アジャイルかつ自律型で、イノベーティブなチームを組成し、(さらには)顧客中心な結果を出すかです」と、ディスカッション進行役であるカルチャーラボ社ファウンダー嶋田文(しまだあや)氏の問いかけから始まったフォーラムは、「なぜ日本はデータ活用の変革に遅れをとったのか」、それに対して「どのように、多様な人材の力、つまり個の力や異なる専門性を活かし、変化を好まない同調圧力のカルチャーを打破するのか」、そして「サイロ、つまり縦割りの昭和的レガシー組織をどうしていくか」などの課題を提示した。


多彩な経歴やビジネス経験を持つ参加者は、こういった困難な時代にうまれる新しい収益モデルや、そういった環境下でのキャリア形成・パスについてをブレーンストーミングした。デジタル世界において今後も存続する職業は何か、終身雇用の日本がどのようにデジタル・トランスフォーメーションの波を乗り越えるのか、ひいては年々期待が高まる職場のダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)が変革にどう関連するか等々、様々な角度から議論は進んでいった。




中間管理職の在り方については懐疑的な意見も多く、変化を好まない傾向にある中間層以外のメンバーが主体となり、変革的なイノベーションをやるべきといった極端なアイデアも出される等、欠陥やバラツキを「カイゼン」していくような緩やかなやり方ではなく、「破壊的なイノベーション」を取り入れることを主張した参加者もいた。旧来のやり方を踏襲しているだけでは未来の日本は切り開けないという、危機感と力強いエネルギーをもち、活発に意見を交えるフォーラムだった。


参加した企業役員たちのデジタル・トランスフォーメーション(DX)への意欲はとても高く、しかしそれは現状のビジネスプロセスをそのまま自動化することがDXではなく、寧ろ事業モデル自体の変革を起こしていく過程を含めた流れを作っていくことがDXであることを強調した。


世界経済フォーラム・レポートより、2025年には人工知能(AI)が世界中の850億件の仕事を淘汰するといわれており、その反面、データを駆使したクリエイティブな仕事が新たに970億件ほど創出されるとの予測もあり、今年10月に発表された岸田首相曰く、今後、日本政府は成長するといわれている雇用分野への人材教育・再教育に約1兆円を投資するとも公言しており、まさにDXは大きな人財育成へ向けた投資であるといっても過言ではない。



「我々の目標は、同じ志を持つ人々が、新たなアイデアを議論し続けられるようなコミュニティを作ることです」と嶋田氏は語り、多くの参加者はこの夜を楽しみ、イベントは成功裏に幕を閉じた。


本フォーラムファシリテーターとして、下記メンバーがボランティア参画した。


Protivitiマネージングディレクター、ジャパンカントリーマーケットリーダー谷口靖美(たにぐちやすみ)氏


MS&ADホールディングス社外取締役、ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングマネージングプリンシパルロッシェル・カップ氏


AIG Japan Holdingsバイス・チェアマン、アメリカンホームアシュアランスカンパニープレジデント&CEO 渡辺治子(わたなべはるこ)氏


元ハスクバーナグループCEO、カルチャーラボエグゼクティブメンバートレイ・ローパー氏


メットライフ生命チーフカスタマーオフィサー岩島洋吉(いわしまひろよし)氏


ブリオネクサスCEO&プレジデント アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏 PhD、EMBA、元大使


イベントホストはロバートハーフ Yewki Tomita氏、メインスピーカーはカルチャーラボ 嶋田 文氏が務めた。


(著者: オリビエ・ファーブル 翻訳: 森川 比呂美、編集: 小川 良太、嶋田文)










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